特捜最前線 第12話「地獄に堕ちる愛」
1977年(昭和52年)6月22日放送
脚本 江連 卓 監督 松島 稔
ゲスト主役 ジャネット八田
主役刑事 吉野刑事
あらすじといえないあらすじと感想
宿直の吉野と櫻井に
「東京湾に男の死体あり」
との緊急連絡が入る。
現場に急行した吉野は男の顔を知っていた。
中条という極悪なゆすり屋だった。
死因は溺死だというが、吉野は殺しだと言い張った。
おやっさんは
「死因はどうあれ、プロセスが気になるね」
と、吉野を支持してくれた。
捜査が始まり、まず手始めに中条の事務所を訪ねると
そこにはのーてんきな事務員の女が一人いただけで
なんにも知らないよと、さっさと帰っていった。
だが、吉野が中条の自宅に調べに入ったとき、
その女=瀬戸幸子は、部屋を荒らしていた。
吉野は
「あんた、ここの場所知らないって言ってたじゃないか!」
と怒るが、やはりのーてんきに
「お給料を取りにきただけよ」
と、あっさりしたものだ。しかし、彼女が荒らした中に大学ノートがあり
一枚、ページが破かれていた。
その表のタイトルは「沢田ルミの青春」
彼女は
「これも給料のうちよ。なにかあったら処分するように頼まれたの」
と言う。当然、吉野はそれを没収した。さらに吉野は
「やつがゆすっていた人物を知らないか」
と尋ねると、
「この人じゃない?」
と、あっさり新進気鋭のファッションデザイナー水村可奈子の記事を見せた。
「何でゆすっていたか知ってるか?」
と問うと、
「そこまで知らないわよ。それを探り当てるのが刑事さんの仕事でしょ」
と、吉野をこばかにして出て行ってしまった。
吉野は櫻井と共に水村可奈子(演:ジャネット八田)の店を尋ねる。
店は明日オープンで、可奈子はてんてこ舞いしていた。
櫻井が中条の顔写真を見せると
「バーで言い寄ってきた男で私はきっぱり断った」
ただ、それだけの関係だと言い切った。
そこへ祝電が届く。可奈子はその一つをクシャクシャにした。
櫻井はそれを見逃さなかった。その電報には
「ジゴクニオチロ」
と。櫻井が心当たりがあるかと尋ねても、悪質な嫌がらせだと、
取り合わなかった。
櫻井達が帰るとき、瀬戸幸子が
「お手伝いさん募集の張り紙をみてやってきた」
と、可奈子のもとへやってきた。吉野は
(おかしな女だ)
と思いながらも、一旦特命課へ帰ってきた。
特命課で、簡単な会議が行われ、
水村可奈子、謎の女沢田ルミ、そして瀬戸幸子の線を洗うことになった。
可奈子は櫻井が、ルミは吉野、幸子はおやっさんが担当した。
吉野担当のルミはあるバーに住み込みで働いていた。そこはヤクの巣窟で
ルミは自分からヤクの売人になりたいと言った。そして、バーのママは
ルミにヤクを注射したが、ルミはヤクに打ち勝った。バーのママはとても感心していた。
おやっさん担当の幸子は気性の激しい女の子だった。
海女になるのがイヤで家を飛び出し、兄嫁をとても恨んでいた。
兄嫁は、自分の兄とまだ乳飲み子だった子供を残し、蒸発したからだ。
その結果、兄は子供と共にビルの屋上から飛び降りてしまった。
櫻井担当の可奈子は、デザインスクールで入賞を果たし、
パリ行きの切符を手に入れていた。
櫻井は、そこで
「沢田ルミという人も応募しませんでしたか?」
と尋ねると、ルミは佳作だったと、ルミの絵も見せてもらい、二つの絵を預かった。
吉野はルミの消息を尋ね、ルミが脳腫瘍で死亡している事が判明した。
そしてそこへ櫻井もやってきた。
可奈子とルミは同じアパートにいたというのだ。
櫻井は仮説を立てる。
「もし、可奈子とルミが入れ替わっていたらどうなるんだ?」と。
筆跡鑑定が行われ、仮説が正しかったことが立証された。
水村可奈子は沢田ルミだったのだ。
これがゆすりのネタだったのだ。
吉野と櫻井は可奈子のファッションショーのリハーサルを見ていた。
そこへテープの声
「母ちゃん、地獄へ落ちろ。俺はお前の秘密を知っている」
可奈子はいきり立って
「出てきなさい!」
というが、当然相手は出てこなかった。
吉野たちは彼女を名前をかたった罪で同行した。
吉野は取調室で、
「すり替わったことがばれて、中条にゆすられていたんだね」
と言うと、可奈子はあっさり認めたうえで、でも殺していないと毅然とした口調でいい
そのすり替わった経緯を話した。
可奈子(本物)とルミは親友だった。可奈子は絵が入賞しパリ行きが決まったときには、
病状はかなり悪化していて、ルミに自分の名でパリに行くことを勧めた。
「あなたが私の名を使う限り、私はあなたと共に生きる」と。
だが、吉野は言う。
「あなたが名前を変えようと、沢田ルミの心は消えない」
と。可奈子(本当はルミ)は、心が揺れたようだった。
じっときいていた櫻井は
「キミは何かをまだ隠してる。その左手のブレスレットは何?」
と訊いた。可奈子は答えた。バーの常連だったファッションンデザイナーと19で
結婚し、子供も授かったが、夫は怠け者で、手伝っていたファッションデザイナーの
仕事に、私がのめりこんだと。そして喧嘩が絶えず、自暴自棄になり、
左手首を切った。そして、夫と子供を捨てたと。
はい、とても長々と書きましたが、中条を殺した犯人は瀬戸幸子です。
中条とグルになり、中条を利用し、兄嫁に復讐を誓ったのです。
兄嫁には中条を殺した罪をかぶせ、死んでもらおうとしますが、
当然、特命に阻止されます。兄嫁は、親友との誓いに夢中で
自分の夫が父子心中したことも知りませんでした。
彼の最後の叫びが
「母ちゃん、地獄に落ちろ!」
だったのです。
可奈子・・・もとい沢田ルミは夫と子供が死んだビルの屋上に花を手向け
吉野に感謝します。これからは沢田ルミとして強く生きていくことを誓って・・・。
感想
私は、この話は好きです。あんまり絡まっている話は好きではないのですが
この話は好きです。ジャネット八田さんが素敵な味を出しているからでしょうか。
本当に、美しい方です。女優さんです。不遇時代のメイク、成功した時のメイクを
はっきり分かるように変えていらっしゃいます。
そして、何より、吉野初主役で、吉野の味をはっきり出しています。
つっけんどんな中のやさしさと言うか・・・。
もう一つの感想
兄嫁を殺そうと幸子が中条と同じ手口で、兄嫁を海に誘い出すのですが、
それに特命のヘリが尾行します。ヘリが遠くに行くならいいですが、
ずっとそこにつかず離れずいるのに、不思議がって欲しかったというのは
いけないことでしょうか?(笑)
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